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いわゆる「魔法少女もの」の呪文と傾向

魔法少女とは

魔法少女達の世界

魔法とは、通常では考えられない超自然的な現象を引き起こす術を総称する言葉である。 その力の源については物理原則にとらわれないものであり、現実世界に存在するという確証は少なくとも公には語られていない。 しかしながら、物語の中には魔法あるいはそれに類する力がたびたび登場し、特にその力を持つ者を主人公とし、それにまつわるエピソードを記述するものもある。 そのような魔法をテーマとした作品のうち、その主人公が少女である作品を総称して「魔法少女もの」と呼称する。

なお、世間では魔法瓶というものが販売及び利用されているが、魔法瓶とは中の液体と外気との間に真空状態を創り出すことによって熱の伝導・対流・放射を極力抑える機構を持つ瓶であり、ここで扱う魔法とは異なる概念である。 万一、魔法少女ものに、真空状態の特質をはじめとした物理法則を利用しない「魔法瓶」が登場する場合、その瓶は魔法少女もので言うところの「魔法」と同義の「魔法」を冠した「魔法」瓶となるが、 残念ながら私の知る限り、そのような「魔法瓶」が登場する作品はない。

魔法少女ものの表現手段としては、特にアニメーションに限られるわけではなく、実写作品や小説等も含まれるが、ここではアニメーション作品に焦点を当てて記述することとする。

魔法少女達の歴史

概説

本来魔女とは、中世欧州において魔女狩をはじめとした弾圧の口実にされるなど、忌み嫌われる存在として認知されていた。 また、外見の多くは老婆である。 森の奥深くに住み、黒いマントや帽子で身を包み、妖しい術や薬を使うと言った悪役のイメージが強い。 これらのイメージは日本のアニメーション作品に於いてヒロインとして描かれる彼女達とは一線を画するものである。 日本のアニメーション作品におけるヒロイン達が用いる魔法は、単に不思議な力へのあこがれから来るものと考えたほうが自然だ。 もっとも、敵役として中世欧州の思想に基づく魔女が登場することは良くあることであり、その点で、日本のアニメーション作品にも、中世欧州の魔女に対するイメージが取り入れられていると言うことは可能である。

現代日本に於ける魔法少女のイメージ、すなわち魔法少女ものの始祖と呼ぶべき作品が「魔法使いサリー」である。 横山光輝先生のマンガを東映がアニメ化した作品で、魔法の国から私たちの住む世界(魔法少女ものではよく「人間界」と呼ばれる)へとやってきた少女サリーが繰り広げる物語である。 1966年のことであった。東映の次作である「ひみつのあっこちゃん」はいわゆる普通の女の子が魔法を使えるようになるという設定で、サリーに見る先天性魔法少女と、あっこちゃんに見る後天性魔法少女という異なる2つの作品はそれぞれ成功を収め、以降、今日に至るまでの魔法少女ものの地位を確立することとなる。

暫くは魔法少女ものと言えば東映動画という状態が続いたが、1980年代、魔法のプリンセスミンキーモモ(現プロダクションリード、当時は葦プロダクション制作)や、 魔法の天使クリィミーマミ(スタジオぴえろ制作。クリーミーマミとの誤記が多々見られるので注意を要する)などの作品が登場する。

当初、視聴層として幼稚園から小学校くらいまでの少女達が想定されており、感情移入のしやすさを考慮し、彼女たちと同世代の少女が主人公として選ばれたと思われる。 しかしながら、これらの作品は、少女向けとして制作されたものでありながら、若い男性のファンも生みだした点について特筆されるべき作品である。 こののち、従来どおり少女を対象とした作品も制作され続けるものの、若い男性をメインターゲットとした作品(魔法少女リリカルなのは等)も制作されるようになる。 また、メインターゲットは少女に据えるものの、若い男性にも受けるような描写を取り入れた作品(プリキュアシリーズ等)も制作されている。

なお、魔法少女が多数いるのに魔法少年の存在が殆ど見られないのは、上記のように、当初想定された視聴者層が少女であったため、感情移入しやすさから近い設定とした結果である。 少年向けには所謂戦隊ものと呼ばれるジャンルが一大勢力となっている。

魔法使いから魔法少女まで

魔法使いサリー(1966年)では「魔法使い」と呼ばれた彼女たち。 魔女っ子メグちゃん(1974年)では「魔女っ子」という言葉が登場する。 魔法少女ものという単語に冠する「魔法少女」が登場するのは魔法少女ララベル(1980年)からである。 魔女という単語が用いられる例は少ないが、「魔女の宅急便」や「黒魔女さんが通る」に見られるように、使用例がないわけではない。 魔法遣いに大切なことなど、変則的な呼び方をする作品もある。 呼称については上記のとおりいくつかの例が見受けられるが、年代や作品内容と呼称との間に特に関係は見られない。 ほぼ同義と言うことが出来よう。 もっとも、近年に限って言えば「魔法少女」が使われることが多いようである。

彼女たちの境遇

魔法少女達が魔法を使う際、小道具を用いることがあるが(ひみつのあっこちゃんに登場するコンパクトなど)、その小道具をおもちゃとして発売する等関連商品の売上げによる利益が見込めることが、これらの作品の制作背景の一因として存在する。 近年はテレビ放映された作品を収録した媒体の売上げや、劇場版制作による興行収入等もある。

呪文各論

魔法少女呪文一覧

まずは以下の表をご覧いただきたい。魔法少女達の用いる呪文を可能な限り集め、五十音順に配列したものである。 原則、一つの作品から一つの呪文を掲載した。多くの呪文があるものについては使用頻度が一番多いと思われるものを掲載した。

呪文 作品名 効能
アイ アム ゴットかみちゃまかりん神と化す。
アブラカタリク・マハリタカブラ魔法使いチャッピー汎用。
アラピン、カラピン、スカンピーンハクション大魔王汎用。
ウィンガーディアムレヴィオーサハリー・ポッター物を浮かせる。
キルミンあにゃまる探偵着ぐるみを着る。
シャララシャララシャララシャラリコ〜癒し系魔法少女ベホイミミクロの世界から宇宙の果てまでファンタジー。
シュガシュガルーン ショコルーンシュガシュガルーン汎用。
聖なる願い・ここへ・聖なる光よ・私に力を・眩き光・気高き白・聖なる大地の命の叫び・ナースエンジェル・天よりの遣いナースエンジェル りりかSOS汎用。
剣と化せ、我がコードよくわかる現代魔法攻撃。
テクニク・テクニカ・シャランラー魔女っ子メグちゃん汎用。
テクマクマヤコン・テクマクマヤコン・○○になぁれひみつのあっこちゃん○○に変身できる。
デュアルオーロラウェーブふたりはプリキュア正義の味方に変身できる。
時間(とき)の記憶に願いを込めて今、ファンシーララに華麗なる成長魔法のステージファンシーララ変身。
ナムトラ・ヤーヤ魔法少女猫たると汎用。
パステル・ポップル・ポッピンパ魔法のアイドル パステルユーミ絵を本物にできる。
パップル・ポップン・ポリモーフ・マジカル・トゥ・アダルト魔法の詩保ちゃん大人に変身できる。
ハニー・フラッシュキューティーハニー正義の味方に変身できる。
パラリル・パラリル・ドリリンパ・ティアラン・ティアナン・マリリンパ・ミンキータッチで○○になれミンキーモモ(第2作)○○に変身できる。
パラリン・リリカル・パラポラ・マジカル魔法のスターマジカルエミ変身できる。
パラレル・パラレル・○○になぁれ姫ちゃんのリボン○○に変身できる。
パリエル・レムリン・スイートミントスイートミント汎用。
バルス天空の城ラピュタ破壊。
パンプル・ピンプル・トムポップン魔法の天使クリィミーマミ大人に変身できる。
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜撲殺天使ドクロちゃん撲殺した生物を蘇生できる。
ピピルマ・ピピルマ・プリリンパ・パパレホ・パパレホ・ドリミンパ・アダルトタッチで○○になれミンキーモモ(第1作)○○に変身できる。
ピリカピリララ・ポポリナペペルトおジャ魔女どれみ汎用。
フレール・フレール・フレール花の子ルンルン変身できる。
プリティミューテーション・ミラクルリコール魔法少女プリティサミー変身できる。
ベララルラー魔法少女ララベル汎用。
ペルッコ・ラブリン・クルクル・リンクル魔法の妖精ペルシャ大人に変身できる。
星の子たち 私に力をください みんなが持ってる力を ひとつの輝きにしてコメットさん☆汎用。
ポンピン パンペポリンシャン ニョロリンコムーミン汎用。
ポンポコリンのヘンポコリンのにゃんっポコニャン汎用。
マジカル・チェーンジもえたん成長できる?
マジカルプリンセス・ホーリーアップ赤ずきんチャチャお姫様に変身できる。
マジパン、ドジパン、フライパンアンパンマン変身。
マハール・ターマラ・フーランパ 魔女っ子チックル汎用。
マハリクマハリタ魔法使いサリー汎用。
マリリン・ベルルン・リンリンリン花の魔法使いマリーベル汎用。
ミル・ミル・ミルモでポンミルモでポン!汎用。
ムーンライトパワーメイクアップ美少女戦士セーラームーン愛と正義の美少女戦士に変身できる。
リップ・バンバン・ウィンクルマコちゃんのリップクリーム変身できる。
リリカル・トカレフ・キルゼムオール大魔法峠汎用。
リリカル・マジカル(・がんばります)リリカルなのは汎用。
リルムリルム奥さまは魔法少女汎用。
ルキウゲ・ルキウゲ・ロフォカーレ黒魔女さんが通る汎用。
闇の力を秘めし鍵よ・真の姿を我の前に示せ・契約の下・さくらが命じる・ 封印解除(レリーズ)カードキャプターさくら汎用。

何故彼女たちは呪文を唱えるのか

呪文は、明確な意味を持つものとそうでないものに分類される。 意味があるものは日本語のものと日本語以外のものに分類されるが、圧倒的に日本語以外が多い。 日本語のものは文語調が殆どである。

要するに、魔法少女達の呪文は、日常生活で発する可能性が低いもの、換言すれば、唱えようとしなければ唱えられないものとなっている。 これには、予期せぬ魔法の発動を抑える効果があると考えられる。

ただし、これらの呪文は、一般人が唱えても魔法は発動しない。これは、我々に限らず、その作中に登場する一般の人々にも同じである。 つまり、呪文そのものに不思議な力が存在するのではなく、呪文は、魔法を発動させるための切っ掛けのようなものと位置づけられていることが伺える。 実際、「呪文は精神を集中して魔法を発動しやすくする為のもの」と明言している作品もある(よくわかる現代魔法)。

今回は魔法少女ものにおける呪文の考察であるので取り上げる機会を見いだせなかったが、呪文を用いない魔法少女ものも多数存在する。 その場合、道具を用いて魔法を発動するもの(魔女の宅急便における箒など)や、精神集中して念じることにより魔法を発動するもの(魔法少女まどか☆マギカなど)などの分類が可能である。

ハ行とマ行の功罪

上記の表を見て一目瞭然であるが、ハ、マ、ラ行で始まる呪文が非常に多いことに気づく。 特にハ、ヒ、フ、ヘ、ホ、マで始まる呪文が目立ち、これらの呪文だけで全体のほぼ半数を占めている。 全体的にこの事象に対して説明できる根拠は見いだせない。 個別的に議論すると、「マ」については、マジカルの「マ」から来ているのではないかという理由が考えられる。 また、ハ行については清音(ハヒフヘホ)や濁音(バビブベボ)ではなく半濁音(パピプペポ)が多くを占めている点からして、半濁音にすることに意義があると考えられる。 なお、日本語の五十音図において半濁音が登場するのはハ行のみである。 逆から言えば、半濁音に魔法の呪文らしさを見て取ることが出来るのである。

おわりに

この論考が何の役に立つかという点についてそもそも論考の必要があるが、魔法少女の用いる呪文を考える際には、半濁音を基準に考えればそれらしくなるという論理を見いだしたことには一定の意義があるのではないか。 今後の研究が待たれるところである。

魔法少女ものに明確な定義は存在しないが、このジャンルに分類される作品が一定の支持を得ていることは紛れもない事実であるし、今後もこのジャンルに分類される作品は多数制作されていくだろう。 彼女たちが永遠に愛され続けることを切に願う。

参考文献

Wikipedia 魔法少女アニメの一覧